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タノモシカとGeminiの違い・使い分け|工務店のAIパース実務で選ぶ二刀流

更新日 2026年10月12日

工務店がAIを導入するとき、「建築特化型のタノモシカと、Google Geminiのどちらを選べばよいのか」と迷うことがあります。

結論から言えば、どちらか一方が常に優れているわけではありません。

タノモシカは、建築実務に合わせて用意されたメニューを選び、社内で使い方をそろえやすいことが特徴です。一方、Geminiは、画像と文章を使って対話しながら、表現や条件を柔軟に検討できます。

大切なのは、画質だけを比べて勝敗を決めることではありません。

  • 誰が使うのか

  • どの業務で使うのか

  • 毎回同じ品質で繰り返したいのか

  • 一棟ごとに異なる提案を深く検討したいのか

  • 画像生成以外の業務にも広げたいのか

こうした実務条件から選ぶ必要があります。

この記事では、住宅業界の実務に携わってきた立場から、タノモシカとGeminiの違いを、工務店の業務工程に沿って整理します。


タノモシカとGeminiの基本的な違い

タノモシカは、安心計画株式会社が提供する建築業界向けのAIサービスです。

フォトリアルな外観・内観パース、手描き風表現、敷地写真との合成、画像のカスタマイズに加え、商談解析、営業ロープレ、見積作成支援、集客文章、打合せ議事録、経営分析など、工務店の業務に合わせた機能が用意されています。

対してGeminiは、Googleが提供する汎用型の生成AIです。

文章による対話だけでなく、画像をアップロードし、内容を読み取らせながら生成や編集を進められます。複数の参考画像を見せ、外観、内装、建材、家具、植栽、光、季節、暮らし方などを言葉で調整できる点が特徴です。

両者の違いを簡単に整理すると、次のようになります。

比較項目

タノモシカ

Google Gemini

基本的な位置づけ

建築・住宅実務に特化したAIサービス

幅広い用途に対応する汎用生成AI

操作方法

用途やメニューを選んで進めやすい

画像と文章による対話で進める

プロンプトの知識

専門的な指示文を一から作らなくても始めやすい

指示の組み立て方によって結果が変わりやすい

AIパース

外観、内観、手描き風、敷地合成、カスタムなどに対応

生成、編集、複数画像の参照、対話による修正に対応

工務店業務への展開

商談、見積、議事録、営業教育、広報などを含む

文章作成、画像生成、資料整理、企画検討など幅広い

社内標準化

担当者ごとの差を抑えやすい

ルールやプロンプトを自社で整備する必要がある

表現の自由度

用意された機能を軸に調整する

自由な条件設定や試行錯誤を行いやすい

費用

月額制。利用量や契約条件を確認して選ぶ

無料利用と有料プランがある。利用上限や機能が異なる

向いている会社

複数の担当者で継続的に使いたい工務店

まず試したい会社、表現を深く検討したい担当者

※機能、料金、生成回数、利用条件は変更される可能性があります。導入時には各サービスの公式情報をご確認ください。


タノモシカが向いている工務店

AIに詳しくないスタッフを含めて社内展開したい

AIは、詳しい担当者が一人で使えるだけでは、会社の業務改善につながりにくいものです。

営業、設計、広報など、複数の担当者が利用する場合は、毎回ゼロからプロンプトを考える方法では、担当者によって結果に差が出ます。

タノモシカは、建築実務に合わせた用途を選んで進められるため、AIやプロンプトに慣れていないスタッフも参加しやすく、社内で共通の使い方を決めやすいサービスです。

AIパース以外の業務にも広げたい

工務店のAI活用は、パース作成だけではありません。

例えば、次のような業務があります。

  • 商談内容の整理

  • 打合せ議事録の作成

  • 営業ロープレ

  • 見積作成の支援

  • 見学会やSNSの文章作成

  • 経営データの分析

画像生成だけでなく、営業・設計・広報を含めた業務全体でAIを使いたい会社には、建築実務向けの機能がまとまっていることが利点になります。

日常業務で繰り返し使いたい

初回商談、打合せ、見学会告知など、同じ種類の業務を複数の案件で繰り返す場合は、操作や手順を標準化できることが重要です。

毎回異なる方法でAIを使うより、用途別の手順を決めた方が、担当者の負担を減らし、社内に定着させやすくなります。


Geminiが向いている工務店

まずAIパースを試してみたい

Geminiは、Googleアカウントがあれば始めやすく、無料で利用できる範囲もあります。

既存のCADパース、立面図、手描きスケッチ、敷地写真などをアップロードし、実写調の完成イメージを作ることができます。

ただし、無料利用にも上限があり、生成回数や利用できる機能は一定ではありません。継続的な業務利用では、有料プランを含めた運用条件の確認が必要です。

具体的な生成手順については、次の記事で解説しています。

→ Geminiで住宅パースを作る方法|無料AIでフォトリアルな提案画像を作る工務店実務

お施主様ごとに異なる表現を検討したい

Geminiでは、画像を見せながら、会話するように条件を追加できます。

例えば、次のような検討です。

  • 外壁の色や素材を変える

  • 家具や植栽を追加する

  • 昼景を夕景や夜景へ展開する

  • 季節や天候を変える

  • 家族やペットのいる暮らしを加える

  • 商品画像を参考に建材のイメージを検討する

  • 複数の画像を組み合わせて方向性を探る

決められたメニューだけでは表現しにくい、一棟ごとの提案や暮らしの場面を検討するときに、Geminiの柔軟性が役立ちます。

プロンプトや表現方法を研究したい

Geminiは、どのような言葉を加えると画像がどう変化するかを、対話しながら検証できます。

光の入り方、素材の質感、カメラ位置、季節、時間帯、家具、人物などを少しずつ変え、自社の住宅に合った表現を探せます。

ただし、自由度が高い分、指示の出し方や建築知識によって結果が変わります。社内で継続利用する場合は、うまくいったプロンプト、入力画像、確認項目を共有しておく必要があります。

Geminiを工務店が選ぶ理由や、実務上の注意点は次の記事にまとめています。

→ Google Geminiで住宅パースを作る方法|工務店の商談で使えるフォトリアルAIパース


工務店の業務工程別に使い分ける

タノモシカとGeminiの使い分けは、画質の優劣ではなく、業務工程から判断すると整理しやすくなります。

業務・場面

主に向いている選択

理由

初回商談で短時間にイメージを見せる

タノモシカ、または手順を定型化したGemini

操作時間を短くし、接客に集中する必要がある

CADパースを実写調へ変換する

どちらも候補

求める操作性、表現、生成回数で選ぶ

敷地写真と建物を合成する

どちらも候補

元資料の状態と必要な精度で判断する

外壁、内装、家具、植栽を比較する

Gemini、またはタノモシカのカスタム機能

条件を変えた複数案の検討に向く

特定の暮らしや情緒を表現する

Gemini

会話による細かな演出を行いやすい

営業ロープレや商談解析

タノモシカ

住宅営業向けの機能が用意されている

議事録、集客文章、見積支援もまとめたい

タノモシカ

工務店の複数業務を共通環境で扱いやすい

少人数で新しい表現を研究する

Gemini

条件を自由に変えて検証しやすい

複数部署・複数担当者へ展開する

タノモシカ

操作と業務フローをそろえやすい

AIを初めて試す

Geminiの無料範囲、タノモシカの無料トライアル

小さく試して必要性を判断できる


おすすめは「標準化」と「深掘り」の二刀流

両方を利用できる場合は、タノモシカを日常業務の標準化に使い、Geminiを個別提案や表現研究に使う方法が考えられます。

タノモシカで日常業務を標準化する

初回商談、通常のパース生成、議事録、営業練習、広報文章など、発生頻度の高い業務は、社内の手順を決めて繰り返します。

誰が担当しても一定の流れで使える状態を目指します。

Geminiで個別案件を深く検討する

重要な案件や独自性の高い住宅では、Geminiを使って、素材、光、植栽、家具、家族の過ごし方などを細かく検討します。

ここで得られた表現や確認項目は、担当者だけのノウハウにせず、社内のプロンプトや運用ルールへ反映します。

成功事例を社内の型に戻す

AI活用で重要なのは、担当者が偶然きれいな画像を作ることではありません。

  • どの元画像を使用したか

  • どの条件を固定したか

  • どの指示が効果的だったか

  • どこに生成ミスがあったか

  • 何を図面や仕様書で確認したか

これらを記録し、次の案件でも再利用できる形にします。

Geminiで見つけた表現方法を、タノモシカを含む社内の標準フローへ戻すことで、自由な試行錯誤と実務の再現性を両立しやすくなります。


導入前に確認したい4つの条件

1.利用者と利用人数

一人の担当者が研究目的で使うのか、営業・設計・広報を含めて複数人で使うのかによって、適切なサービスは変わります。

個人の使いやすさだけでなく、アカウント管理、社内教育、引継ぎまで確認します。

2.月間の利用量と契約条件

タノモシカは月額プランごとに利用量の目安があり、公式サイトでは最低利用期間も案内されています。

Geminiにも無料利用と有料プランがあり、モデルや画像生成には利用上限があります。

表示料金だけでなく、月間の案件数、必要な生成回数、利用人数から判断することが大切です。

3.入力データの扱い

図面、敷地写真、商談音声、顧客情報などをアップロードする場合は、各サービスの利用規約、プライバシーポリシー、法人利用条件を確認します。

特に、顧客名、住所、連絡先、未公開図面などを含む資料は、社内ルールを決めてから使用してください。

4.AI画像の確認方法

タノモシカでもGeminiでも、AIが生成した画像をそのまま設計図や施工資料として使用することはできません。

AIパースでは、次のような変更や生成ミスが起こることがあります。

  • 窓や建具の位置が変わる

  • 屋根や外壁の形状が変わる

  • 建材の商品仕様が正確に再現されない

  • 家具や設備の寸法が不自然になる

  • 敷地条件や隣接環境が変わる

  • 法規や施工条件が反映されない

AI画像は、住宅の雰囲気や暮らしの方向性を共有するための検討用イメージです。実際の設計、見積、契約、施工は、図面、仕様書、メーカー資料を基準にしてください。

AIパースの導入前に確認すべき点は、次の記事でも詳しく解説しています。

→ 工務店の住宅パースAI活用|導入前に知っておきたいメリット・課題・始め方


タノモシカとGeminiの料金・仕様について

2026年9月時点で、タノモシカの公式サイトには、月額1万円、3万円、5万円のプランが掲載されています。プランごとにパース生成枚数などの利用量が異なり、最低利用期間は契約月から1年間と案内されています。

Geminiには無料利用とGoogle AIの有料プランがあります。利用できるモデル、画像生成機能、上限はプランや提供状況によって異なります。

料金や機能は変更される可能性があるため、契約前に必ず公式サイトをご確認ください。


まとめ|ツールより先に、使う業務を決める

タノモシカとGeminiのどちらを選ぶかは、「どちらの画像がきれいか」だけでは決められません。

タノモシカは、建築実務に合わせた機能を使い、社内運用をそろえたい工務店に向いています。

Geminiは、まず小さく試したい場合や、画像と対話しながら一棟ごとの表現を深く検討したい場合に向いています。

そして、両方を利用する場合は、次の役割分担が考えられます。

  • タノモシカ:日常業務と社内運用の標準化

  • Gemini:個別提案、表現研究、難しい案件の深掘り

  • 人:図面、法規、仕様、施工可能性、説明内容の最終確認

AI導入の目的は、契約するツールを増やすことではありません。

資料作成や繰り返し作業を減らし、生まれた時間を、お施主様との対話、設計、確認へ戻すことです。

工務店のAI活用全体を整理したい方は、こちらの記事もご覧ください。

→ 工務店のAI活用完全ガイド|営業・提案・設計の生産性と成約率を高める実務方法

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→ 工務店・設計事務所のための建築AI実践度診断

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